40代の転職で年収アップを目指すには?基本給・賞与・働き方を比較する判断手順

執筆・編集:まっく部長公開日:

40代の転職では、想定年収が高い会社でも基本給が高いとは限りません。固定残業代と変動賞与を分けると、毎月増える金額と引き受ける働き方が見えてきます。希望額を伝えるときも、年収の総額だけでなく、基本給と毎月固定で支払われる金額を分けて相談します。

ここでは計算用の2社を比べながら、給与・通勤・条件交渉を具体的に整理します。金額と勤務条件は説明用の設定で、実在企業の提示条件や採用結果ではありません。

目次

A社は想定年収が高く、B社は基本給が高い

下の例はA社の参考年収が544万円、B社が524万円です。ただし基本給だけならB社の方が年間36万円高く、A社の固定部分には年間72万円の固定残業代が含まれています。

転職時の年収は固定部分と賞与などの変動部分を分け、初年度と通常年度をそろえる。残業と通勤負担を別に確認し、書面に示された条件で判断する。

比較期間は2026年11月から2027年10月の12か月です。両社とも全期間在籍し、試用期間3か月を含めて月給が変わらないと仮定しています。通勤手当と追加時間外手当は参考年収に含めません。

項目A社B社
基本給(月)3235
職務手当(月)22
固定残業代(月)6。時間外20時間分なし
毎月固定の合計40=32+2+637=35+2
固定部分の12か月換算480=40×12444=37×12
賞与の提示64の見込み。初年度の支給条件は未確認80の見込み。初年度の支給条件は未確認
追加の時間外手当固定分で不足する額を追加支給。金額未確認実際の時間外労働等に応じ別途支給。金額未確認
見込賞与を満額足した参考額544=480+64524=444+80
金額の単位は万円。架空の給与条件。交通費と追加時間外手当は参考額に含めない

A社の月40万円には、時間外20時間分の固定残業代6万円が含まれます。B社の月37万円は基本給35万円と職務手当2万円です。基本給はB社の方が月3万円、年36万円高いため、月給の総額だけでは比べられません。

現職が基本給30万円と職務手当2万円なら、固定部分は年間384万円です。A社へ移った場合の差96万円のうち72万円は固定残業代で、基本給と職務手当の増加は24万円になります。

賞与の満額表示と、入社初年度に受け取る額は違う

賞与の昨年実績や満額の想定は、自分の入社初年度の支給額とは別です。入社して何か月たつか、会社がどの期間を対象に計算するかで受け取る額は変わります。金額が決まるまでは、複数の場合を計算して比べられます。

計算上の条件A社(万円)B社(万円)
提示賞与の100%を置く544=480+64524=444+80
提示賞与の50%を置く512=480+32484=444+40
賞与を0として置く480444
比較期間は同じ12か月。追加時間外手当は全ケースで含めない

50%・0%は比較のための仮定で、賞与が出る確率ではありません。毎月の固定給で生活費を賄える条件なら、賞与が減った場合も生活の見通しを立てやすくなります。業績などで変わる部分は分けて考えると、提示された条件を比べやすくなります。

年俸に賞与が含まれている場合は、別に足すと同じ金額を二度数えてしまいます。基本給に連動する手当や賞与も含め、会社が示す内訳に沿って合計します。

固定残業20時間と実際の残業時間は違う

固定残業代の対象時間は、配属先の残業実績を示す数字ではありません。実際の残業と繁忙期は別の情報です。

厚生労働省の固定残業代Q&Aは、通常の賃金と固定残業代を区分する考え方を説明しています。法定の方法で算定した割増賃金に不足する場合は、差額の支払いが必要とされています。

この計算例の固定残業代6万円が個別の契約で適切かは、算定基礎や所定労働時間によって変わります。ここでは適法性の判定をせず、金額の内訳を比べています。

通勤の長さも給与とは別の負担です。同じ2社の設定では通勤がA社月40時間、B社月18時間になり、月22時間の差が生じます。

項目A社B社
出社の想定(月)20日12日。残りは在宅の想定
片道の通勤時間60分45分
通勤時間の月換算40時間=60分×2×20日÷6018時間=45分×2×12日÷60
通勤に伴う自己負担の仮定月1万円、12か月で12万円月0.3万円、12か月で3.6万円
実際の残業時間配属先の実績と繁忙期を未確認配属先の実績と繁忙期を未確認
担当する役割改善プロジェクトのリーダー。決裁範囲は未確認実務担当。将来の担当拡大条件は未確認
勤務地・働き方の変更転勤範囲は未確認在宅日数が変更される条件は未確認
福利厚生・退職金利用条件と制度を未確認利用条件と制度を未確認
架空の通勤・負担条件。出社日数と自己負担は比較用の仮定

通勤に伴う自己負担の差は年間8.4万円です。この支出を額面給与から引いた値は、税金や社会保険料を反映した手取りとは異なります。

手取りは本人の条件と適用年によって変わります。国税庁の令和8年分の源泉徴収税額表でも扶養親族等の数などで扱いが分かれるため、額面の一定割合として決める方法は避けます。

基本給の希望は担当できる仕事と一緒に伝える

条件を相談するときは、どの仕事を担当できるかと、基本給などの希望額を具体的に伝えます。その根拠には、実際に担当してきた仕事を使います。今の年収や他社の提示額を伝える場合も、事実に沿って説明します。

次は月次レポート作成と手順整備を経験し、選考で説明済みという設定の文例です。B社へ基本給35.5万円と職務手当2万円、計37.5万円を希望しています。

採用ご担当者様

条件をご提示いただき、ありがとうございます。担当予定の月次レポート作成と運用改善について、これまで行ってきたレポート作成と確認手順の整備の経験を生かしたいと考えております。

給与条件について、基本給を月35.5万円、職務手当2万円と合わせて月37.5万円としてご検討いただくことは可能でしょうか。賞与や時間外手当を除く固定部分で、12か月換算450万円を希望しています。

あわせて、入社初年度の賞与の算定期間と支給条件、時間外手当の扱いを確認させてください。ご調整が難しい場合は、現条件を含めて改めて検討いたします。

月0.5万円の変更は年間6万円で、固定部分は444万円から450万円になります。希望の示し方を説明する数字であり、交渉が通ることを示す事例ではありません。

希望条件は尋ねられた段階から正確に伝え、提示内容の不明点は承諾前に相談できます。金額が変えられない場合も、勤務場所・担当業務・評価時期など相談できる条件があります。

給与が希望に合っても、転勤や仕事内容の変更範囲で働き方は変わる

提示額が希望に合っていても、仕事内容や働き方まで合うとは限りません。回答期限と入社日、試用期間の条件も確認します。条件がそろってから、今の職場で働き続ける場合と比べます。

厚生労働省の募集時の労働条件明示資料には賃金や勤務時間などの項目が示されています。厚生労働省の労働条件明示ルールの案内では、2024年4月から追加された業務・就業場所の変更範囲なども案内されています。

条件と入社日が固まってから、現職の規程に沿って退職と引継ぎを調整する流れです。個別の契約や労務上の問題には総合労働相談コーナーなどの公的窓口を利用できます。

担当できる仕事の根拠と、仕事・生活への影響を合わせて見る考え方は当サイトの評価基準に沿っています。

今の経験に学びを加え、希望する役割を目指す

年収を上げたい場合も、給与が高い順に転職先を選ぶ必要はありません。どの仕事を担当したいか、通勤や働く時間が生活に収まるかも含めて比べられます。

希望する役割に知識やスキルが足りないなら、学び直しが次の準備になります。40代の学び直しを転職につなげる手順と40代の転職で求められる経験と資格の選び方で、今の経験に何を加えるかを整理できます。

学ぶ分野が決まれば、その課題を練習できる講座へ進みやすくなります。方向性から考えたい場合は社会人の学び直しの始め方、継続した相談が必要な場合は40代・50代向けキャリアコーチングの比較が候補です。

比較の計算と交渉後の判断例を詳しく読む

賞与・追加時間外手当・通勤手当を除く固定部分では、現職は月32万円×12=384万円です。A社480万円は現職より96万円、B社444万円は60万円多くなります。B社へ希望する450万円なら差は66万円ですが、これはまだ合意していない希望額です。

次は架空2社を比べる人の判断例です。固定年額450万円以上、通勤は月30時間以内という本人の希望を置いています。全員に共通する下限ではありません。

現時点では両社とも保留する

この人の希望は固定年額450万円以上、通勤月30時間以内です。A社は480万円で金額を満たしても、通勤40時間が希望を超えます。B社は通勤18時間で収まりますが、固定444万円は6万円不足します。重要な条件が分からない間は即決しません。

給与と働き方に分けて質問する

比較は2026年11月〜2027年10月の12か月で、給与は額面万円、通勤は月の時間です。現職の384万円には賞与と実際の時間外手当を足していません。A社の賞与64万円と両社の追加時間外手当は未確定です。B社には基本給を月35.5万円にできるか相談する案です。

出社日数と通勤補助、実際の残業、転勤や在宅日数が変わる条件も質問に残ります。責任の範囲と福利厚生・退職金、初年度賞与の算定期間・支給条件を含めて採用窓口へまとめて尋ねます。

回答を受け取ってから比較し直す

この設定では、まだ会社から回答を受け取っていません。いつまでに返答するか、誰がいつ回答したか、どの資料を参照したかも未記入です。回答と条件書を保存し、未回答の重要項目は保留します。A社の通勤条件とB社の固定給与への回答を受けて、比較を更新します。B社への希望が通らなければ、下限を守るか優先順位を変えるかを改めて決めます。

この例でB社への希望が通らず、固定年額450万円という下限を維持するなら、B社の承諾は見送るか再検討します。通勤や仕事の内容を優先して下限そのものを変える場合は、変更した理由と新しい条件を記録し直してから判断してください。

年収比較で迷いやすい点と情報の確認日
40代なら何%の年収アップを目標にすればよいですか

年齢だけで共通の上げ幅を決めることはできません。同じ職種と役割、勤務地と勤務条件の求人や提示額を確かめます。そのうえで自分の必要条件と希望を整理できます。

想定年収が高い方を選べばよいですか

毎月決まっている給与と、まだ決まっていない賞与などを分けて比べます。想定年収が高くても固定残業代を含む場合があり、基本給が高いとは限りません。仕事内容と働く時間も選ぶ条件です。

固定残業代があると、残業代は追加で支払われませんか

厚生労働省は、固定残業代が法定の方法で算定した割増賃金を下回る場合は、差額の支払いが必要と説明しています。対象の時間・金額・追加支給の条件を確認し、不明点や問題がある場合は公的窓口などへ相談してください。

希望額を伝えれば、内定を維持したまま交渉できますか

内定を維持したまま変更できるとは、この例から言えません。変更できるかは会社の制度と募集条件によります。事実に基づく希望として相談し、回答期限と、変更できない場合の判断も考えておく場面です。

手取りがいくら増えるか、この表で分かりますか

この表が扱うのは額面の条件で、本人の税金や社会保険料を反映した手取りではありません。自己負担や時間も給与から切り離して記録し、必要に応じて適用年と本人の条件をそろえて試算してください。

年収が下がっても転職を検討してよいですか

働く時間と担当業務、生活との両立などを重視して給与の低い条件を選ぶこともあります。どの範囲まで受け入れられるかと、期待している働き方が確認できたかを整理してから判断してください。

制度に関する公式情報は2026年10月1日に確認しています。この記事は一般的な比較の手順を示すものです。個別の契約の適法性や税額、転職の成否を判断するときは最新の資料が必要です。必要に応じて専門家や公的窓口にも相談できます。

関連する学習ガイド

目次