個人が使えるリスキリング支援制度は?働き方と目的から確認先を選ぶ

執筆・編集:まっく部長公開日:
現職で学ぶ・転職する・休暇を取る場合で使える支援が違う

学び直しの支援は働きながら学ぶか、転職を目指すかで選べます。現職を続けるなら教育訓練給付金、在職中に転職も進めるならキャリアアップ支援事業が候補です。離職中はハローワークの職業訓練、無給休暇を取って学ぶ場合は教育訓練休暇給付金を相談できます。受講料と生活費の支援は分けて考えます。

以下は2026年10月1日時点の全国の主な制度です。講座の指定状況や雇用保険の履歴、申請時点の条件によって利用できる制度が変わります。自治体独自の制度は別途あります。

目次

現職での学習には教育訓練給付金、再就職には職業訓練が候補になる

現在の状態・希望まず調べる制度相談先
在職中で、現職を続けながら指定講座を受けたい教育訓練給付金住所を管轄するハローワーク
在職中で、雇用主を変える転職も目指したいリスキリングを通じたキャリアアップ支援事業公式に掲載された補助事業者
離職中で、基本手当の受給資格がある公共職業訓練(離職者訓練)を含むハロートレーニングハローワークの職業相談
基本手当を受給できず、就職・転職に必要な訓練を受けたい求職者支援制度ハローワークの職業相談
失業中で、初めての専門実践教育訓練を受講し、学習中の生活費が必要教育訓練支援給付金(年齢・訓練形態等の条件あり)住所を管轄するハローワーク
在職のまま、30日以上連続する無給休暇で学びたい教育訓練休暇給付金勤務先と、住所を管轄するハローワーク
どんな仕事・講座を選ぶか決まっていない無料のキャリアコンサルティングキャリア形成・リスキリング支援センター等

教育訓練給付金は本人が払った受講費用のうち、対象となる費用の一部を支える制度です。離職中や自営・フリーランスでも、過去の雇用保険歴と離職後の期間などから対象となる場合があります。勤務年数と雇用保険の加入期間は分けて扱います。

教育訓練給付金の一般・特定一般・専門実践の金額と手続きは、3種類の教育訓練給付金ガイドで詳しく説明しています。

キャリアアップ支援事業は、参加する事業者を通じて学習と転職を支援します。ハロートレーニングは再就職などに必要な職業訓練です。求職者支援制度では、訓練に加えて条件を満たす人に生活費の給付があります。

在職中に休暇を取って学ぶ場合の教育訓練休暇給付金は、受講料とは別に無給期間の生活費を支える制度です。

在職して転職を目指すなら、経産省の事業者経由の支援

この事業ではキャリア相談、学び直し、転職支援をまとめて受けます。登録する時と初めて面談する時は、在職していることが条件です。利用を考えている人は退職する前に相談すると、自分が対象になるかを確かめられます。

講座を修了すると、対象となる税別受講費の2分の1相当・上限40万円が基本の負担軽減になります。追加給付には講座修了だけでなく、事業の職業紹介等による転職が必要です。転職後も1年間働き続けたことが確認されると、5分の1相当・上限16万円が追加されます。

自分で見つけた転職先でも追加支援を受けられるとは限りません。どの転職が対象になるかは事業者の案内で確かめます。最初から値引きされるのか後で返金されるのかによって、先に用意するお金は変わります。支払日と修了条件も契約案内に沿って考えます。

事業者の公募終了後も、個人の受付は講座ごとに異なる

公式の事業者向けページは六次公募での事業者募集終了を案内しています。一方で個人向けの事業者検索は別に用意されているため、希望する講座の受付・修了期限は公式の補助事業者検索から個別に確認してください。

転職を目指さず、現職の業務だけに使う学びなら、この事業の対象者要件とは合いません。雇用契約のない専業の自営・フリーランスについても、在職者向けの表示だけを根拠に申し込まず、教育訓練給付や職業訓練の別ルートを確認します。

月10万円の給付対象外でも、無料の職業訓練を受けられる場合がある

ハロートレーニングの離職者訓練と求職者支援訓練は、原則として受講料無料ですが、テキスト代などの実費は必要です。希望するコースへ無条件に入れる制度ではありません。ハローワークでの相談と申込み、選考を経て受講あっせんへ進む流れです。

求職者支援制度の主な受講条件には、雇用保険の被保険者・受給資格者でないことと求職の申込みがあります。働く意思と能力があり、ハローワークが訓練の必要性を認めることも条件です。低収入で働いている人にも対象となる場合がありますが、在職者全員が利用できる制度ではありません。

月10万円の職業訓練受講手当には収入・資産等の条件があります。原則として本人収入は月8万円以下、世帯収入は月30万円以下です。世帯金融資産300万円以下などの条件もあります。現住所以外の土地・建物や出席、同一世帯の受給にも条件があります。過去の不正受給・受給歴も関係するため、収入だけで受給できると判断しないでください。

出席は原則として訓練実施日の全日が必要です。やむを得ない理由による欠席等には扱いが定められていますが、その場合も8割以上の出席等が必要になります。欠席や収入の変化が分かったら、自己判断で処理せず窓口へ確認してください。

月10万円の給付を受けられなくても、無料の訓練を受けられる場合があります。給付と受講では条件が違うためです。希望する仕事に必要な訓練があるかは、給付の対象外でもハローワークへ相談できます。詳細は厚労省の求職者支援制度の要件を確認してください。

失業中に初めて専門実践を受ける45歳未満の人には生活費の給付もある

専門実践教育訓練給付金の受給資格がある人には、生活費の支援が対象となる場合もあります。初めて専門実践の訓練を受ける失業中の人が対象の教育訓練支援給付金です。受講開始時45歳未満で、通信制・夜間制を除く訓練が対象です。過去の教育訓練給付の受給歴等にも条件があり、現行の開始期限は2027年3月31日までです。

2025年4月1日以降の受講開始では、所定の基本手当日額相当額の60%を基に支給されます。対象は基本手当の支給を受けられない期間です。失業の認定なども必要で、在職者の無給休暇を支える休暇給付とは別制度です。厚労省の専門実践Q&Aと、教育訓練給付金の詳しいガイドで条件と受講前手続きを確認してください。

30日以上の無給の学習休暇には、生活費を支える休暇給付がある

教育訓練休暇給付金は2025年10月1日からの制度で、受講料そのものの給付とは目的が違います。社内制度に基づき自分の意思で取る、連続30日以上の無給の教育訓練休暇が対象です。勤務先に認めてもらうことなども条件に含まれます。

原則として休暇開始前2年間に12か月以上の被保険者期間と、開始前に通算5年以上の雇用保険の加入期間が必要です。過去の受給等で通算できない期間が生じるため、勤めた年数だけで対象になるかを決めず、勤務先とハローワークへ確認します。

受給後は原則として、休暇前の加入期間をその後の基本手当等の判定に通算できなくなります。厚労省の現行パンフレットには例外や受給期間も載っています。休暇後に離職する可能性がある場合は、給付額と次の雇用保険への影響を窓口へ確認してください。

受講料と生活費の支援は併用できる組合せがある

組合せ公式資料の扱い申し込む前の行動
経産省キャリアアップ支援+教育訓練給付金経産省事業FAQのQ148は、国が支出する趣旨を同じくする他の制度との併用不可と説明同じ受講への両制度を足して予算を作らない。どの制度で契約するか確認
教育訓練休暇給付金+教育訓練給付金厚労省の休暇給付パンフレットは、指定講座の受講費給付とあわせて利用可能と案内受講料と生活費を別計算し、それぞれ本人・講座・休暇の要件を確認
会社の費用補助+教育訓練給付金事業主からの補助等を差し引いた、本人が負担した対象経費を確認する必要がある定価を基に会社補助と給付を二重計上せず、学校・ハローワークへ金額を伝える

併用の根拠は経産省事業の現行FAQ・Q148、教育訓練休暇給付金パンフレットの関連情報、一般教育訓練給付金Q&Aの対象経費です。自治体助成や別の生活支援がある場合も、制度名と対象費用・対象期間を両方の窓口へ伝え、別制度だから自動的に併用できるとは考えないでください。

人材開発支援助成金は、事業主等が雇用する労働者へ行う訓練などを支える制度です。企業向けの助成率を、個人が契約する講座の自己負担からそのまま引くことはできません。

後から受け取る給付とは別に、受講料の先払い資金が必要

給付を使えても、受講料を先に払う契約ならその資金が必要です。申込時の割引と後日の返金は分けて考えます。公的な給付も後から受け取るため、受講開始までに用意する額には含めません。受講前の手続きが必要な制度もあるので、契約前に窓口へ相談できます。

窓口では働いている状況と受講開始日が分かると、対象になりそうな制度を絞れます。講座の正式名と利用予定の補助も相談に必要な情報です。雇用保険の加入歴や過去の受給歴はハローワークで照会できます。雇用保険番号や口座情報は公開メモに載せず、公式の本人確認や申請の手順で扱います。

働き方を見直すための学びなら、受講後にどんな仕事へ使いたいかが講座選びの軸になります。方向が定まらない場合はジョブ・カードを使う無料キャリアコンサルティングも使えます。制度が決まれば、学びたい分野と受講条件に合う講座へ候補を絞れます。

専門実践の講座を検討する段階では、目指す資格と通える日程、給付を受け取る前の支払いをそろえて比べます。制度が使えることと、講座を続けられることは別に考えます。

現職継続、在職転職、再就職の希望から最初の相談先を選べる。

書いて整理したい方には、保存用 制度選択と相談のメモ 記入用(PDF)も使えます。

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