仕事でITを使う基礎を学びたいならITパスポート、設計・開発など作る側を目指すなら基本情報が入口です。基本情報の受験に、ITパスポート合格は必要ありません。用語に不安があればITパスポートの範囲を勉強し、試験は基本情報だけを受ける方法もあります。
請求書管理を題材に、誰にどの操作を認めるかを考える課題と、処理を順に追う課題を用意しました。正解数で適性を決めるテストではなく、目指す仕事に必要な学習を見つけるための練習です。
ITの共通知識はITパスポート、作る側の基礎は基本情報

| 比較する点 | ITパスポート | 基本情報技術者 |
|---|---|---|
| 公式の対象者像の読み方 | 職業人が備えるITの共通知識を使い、担当業務へ活用する入口 | ITを使うサービス・製品・システム・ソフトウェアを作る人材の基礎 |
| 学習する内容の重なり | 経営・管理・技術を横断。プログラミング的思考も含む | IT全般の知識に加え、設計・開発・運用や処理の理解へ広げる |
| 現行の試験構成 | 120分・四肢択一100問 | 科目A 90分60問、科目B 100分20問 |
出典はIPAのITパスポート対象者像と基本情報の対象者像・試験構成です。両方に重なる分野があり、「ITパスポートにはアルゴリズムがない」「基本情報はプログラミングだけ」とは分けられません。
基本情報の通常受験では科目A・Bを連続して受け、別日には分けられません。具体的な当日の流れや免除の有無は、公式の受験案内で確かめましょう。
基本情報の試験運営者FAQは、受験するうえでの制限はないと案内しています。「ITパスポートを先に取るべきか」は学習の進め方の判断であり、基本情報の受験資格を作る必須手続きではありません。
ただし、講座によってはITパスポート合格レベルの知識を前提にしています。「合格証が必要」なのか、「同じ程度の知識があればよい」のかは別です。申し込む講座の対象者欄で確かめます。
基本情報が目標なら、足りない入門知識を補ってから進めます。そのためにITパスポートの教材を使っても、同試験を受ける必要はありません。基礎を学ぶことと、資格を2つ取ることは別の選択です。
課題1 請求書を扱う人の操作権限を説明する
次は当サイトが作った学習用の課題です。請求書管理システムを使うチームが、担当者と承認者の操作を分けたい場面を考えます。
| この組織が決めたルール | 必要な操作 |
|---|---|
| 担当者 | 自分の未承認の請求書を登録・修正する |
| 承認者 | 内容を確認して承認する |
| 監査担当 | 請求書と操作記録を閲覧する。内容は変更しない |
A案は全員を同じIDとパスワードで管理し、全員に登録・修正・承認の操作を認めます。B案は人ごとのIDと役割別の権限を設定し、上のルールに対応させる案です。
- 上のルールに合うのはA案・B案のどちらか
- 「誰かを確認すること」と「その人に何を許すか」を区別して説明する
- 機能があるか不明な場合、システム担当へ何を確かめるか
この課題ではB案が合います。認証は「誰か」を確かめること、アクセス権限は「その人に何を許すか」を決めることです。人ごとのIDと役割別の権限があれば、監査担当には閲覧だけを認めるなど、課題のルールに対応できます。
認証やアクセス管理はITパスポートの現行シラバスで学ぶ基礎に含まれます。一方、表の3役割や具体的な許可操作は、この課題のために当サイトが定めたルールです。
B案は、この課題のルールに合う設計案です。実際に導入するには、製品で設定できる権限の範囲を調べる必要があります。操作記録の残し方や権限を変える際の承認者も決めて、運用につなげます。
課題2 同じ請求金額を、指定された順に動かす
同じ請求書管理で、金額を並べ替える処理を確認する架空課題です。配列の中身を暗算で完成形へ飛ばさず、実際に行われる操作を1回ずつ追います。
- 最初の金額列は[1,200、800、1,500、1,000]
- 左から隣り合う2つを比べ、左の金額が右より大きいときだけ入れ替える
- 比べる位置は1番目と2番目、2番目と3番目、3番目と4番目の順。ここで処理を終了する
答えるのは、指定された3回の比較が終わった直後の並びです。「全体が小さい順になるまで繰り返す」とは書かれていません。与えられた処理で止めることが、この問題のポイントです。
| 処理 | 比較した値 | 処理後の金額列 |
|---|---|---|
| 開始 | 比較前 | [1,200、800、1,500、1,000] |
| 1番目と2番目 | 1,200>800なので交換 | [800、1,200、1,500、1,000] |
| 2番目と3番目 | 1,200>1,500ではないので維持 | [800、1,200、1,500、1,000] |
| 3番目と4番目 | 1,500>1,000なので交換 | [800、1,200、1,000、1,500] |
答えは[800、1,200、1,000、1,500]です。今回指定された3回の比較はここで終わります。1,200と1,000はまだ逆の順ですが、全体を昇順にする処理はこの後の話です。
[800、1,000、1,200、1,500]と答えた場合は、指定より先まで並べ替えている可能性があります。3回の比較を順に追い、2回目が終わった時点でどの位置をまだ比べていないか説明してみてください。
2課題では、用語を説明できるかと処理を順に追えるかを試します。できなかった箇所と目指す仕事を照らすと、学び直す内容を絞れます。試験を選ぶときは公式範囲全体を読み、準備できる時間も見積もります。
認証と権限を説明できなければ、共通知識の教材で用語を学び直します。用語は分かるのに処理を飛ばすなら、変数や配列を1行ずつ追う練習をします。解説後にできた人は別の数値でも試し、両方できた人は公式範囲全体へ進めます。
基本情報の実際の記述は、IPAの科目Bサンプル問題セットで確かめられます。2022年公表の問1は代入による値の変化、問3は配列と繰返しを読む形式であり、上の自作課題を現行本試験の難度そのものとは扱いません。
公式サンプルを見るときは、答えを見て終わらず、どの行で値が変わったかをノートに残します。途中の書き方から練習したい場合は、実行行と変数の値を分けるトレース練習から始められます。受験予定時点の範囲は現行シラバス一覧へ戻り、サンプルの公表年と適用年度を分けて確認してください。
請求書システムを使うならITパスポート、自動処理を設計するなら基本情報
営業事務で請求書を扱う二人を例にします。Aさんはシステムを使ってIT担当へ相談する仕事、Bさんは自動処理の設計やテストへの参加を目指す設定です。
同じ営業事務でも、システムを使ってIT担当へ相談することが目的なら、ITパスポートの共通知識が合います。自動処理の設計やテストに参加したいなら、基本情報の基礎と処理を追う練習が候補です。職種名より、担当したい仕事で選びます。
Bさんは作る側の仕事を目指し、間違えた処理を追うところから学び直します。小さな課題と公式サンプルで手順を追う練習をし、必要な勉強を続けられるかも試す計画です。
Aさんもシステム設計を担うようになれば、学ぶ範囲を広げられます。今の職種や年齢だけで決めたままにせず、目指す仕事が変われば選び直せます。
最初の金額列は[300、100、400、200]です。同じ操作を1巡すると次のように変わります。
- 1番目と2番目を比較 [100、300、400、200]
- 2番目と3番目を比較 [100、300、400、200]
- 3番目と4番目を比較 [100、300、200、400]
ここでも全体の並べ替えは終わりません。
2026年末以降の受験日は、通常の随時実施だけで決めない
IPAは2026年12月28日以降の試験休止予定を案内しています。会場によってはそれより前に実施を終える場合があり、確認した案内では再開時期は決まり次第公表する扱いです。
そのため、年明けに「ITパスポートを受けた翌月に基本情報」と続けて受ける予定を確定することはできません。勉強は進めつつ、受験できる日と新制度の正式案内を待ちます。教材の対応範囲と利用期限も、その日程に合わせて選びます。
用語で迷うなら入門教材、処理の順番で迷うなら科目Bの演習を選ぶ
共通知識を整理するところから始める人は、ITパスポートの無料・書籍・通信講座の比較で、用語解説・途中式・質問のどれを補うか確認できます。解説を読んで進められるなら、まずはその教材で学習を続けられます。
基本情報を目標にする人は、基本情報の通信講座と科目A免除経路の比較で前提知識を確かめます。科目Bの演習・質問と利用期限も比較します。ITパスポートを先に取るかという判断と、科目A免除講座を利用するかという判断は分けてください。
資格を仕事でどう使うかがまだ曖昧なら、ITパスポートの求人・社内評価・実務での扱いも参照できます。資格の取得順だけで採用や昇給が決まるとは考えず、必要経験や担当業務も確認しましょう。
どちらから始めるかのFAQ
- 基本情報の前にITパスポート合格は必要ですか?
-
受験資格として必須ではありません。ただし、基本情報の教材や講座が求める前提知識は別です。不足する知識があれば入門範囲を学び直します。
- プログラミング未経験ならITパスポートだけにすべきですか?
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未経験という理由だけで決まりません。作る側の仕事を目標にしているなら、基本情報の基礎と処理を追う練習から試せます。足りない入門知識を補いながら進める方法です。
- 両方の資格を取れば、学習の重複はありませんか?
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範囲には重なりがあります。両方受ける目的を決め、費用と日程をそれぞれ見積もります。先に学んだ範囲は自力で解けるかを試し、その結果に合わせて復習を減らせます。
- 自作課題ができたら、すぐ基本情報を申し込めますか?
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2課題は入口を考えるための小さな練習です。試験範囲全体の準備や合格可能性を判定した記事ではありません。公式範囲と試験日、教材の期限を別に確認してください。
編集・確認 学びを選ぶ。公式資料確認日 2026年10月1日。公式の対象者像と試験範囲をもとに、学習の入口を整理しています。
書いて整理したい方には、ITパスポートと基本情報はどちらから?必要な基礎を例題で確かめる 回答用シート(PDF)も使えます。
