社労士の選択式で基準点を割るときの復習|科目別得点と正解の根拠を整理

執筆・編集:まっく部長公開日:
合計28点でも労一2点なら、2026年度の選択式基準に届かない

社労士の選択式は、合計28点でも労一が2点なら2026年度の基準を満たしません。合計点と科目別の点数は別に見ます。また、正解でも選んだ理由が分からない空欄は復習が必要です。点数だけでなく答えの根拠を見ると、次に学ぶ箇所が分かります。

8科目の得点例と自作の資料読取りを使い、点数と理解の違いを説明します。得点例や調査資料は学習用の仮定です。公式の年度別合格基準とは分けて扱います。

目次

2026年度は選択式25点以上に加え、科目別基準がある

2026年10月1日に確認した第58回・2026年度の公式合格基準は次のとおりです。選択式だけでなく択一式も条件を満たす必要があります。

出題形式総得点の基準科目別の基準
選択式40点中25点以上各科目3点以上。ただし雇用保険法は2点以上
択一式70点中47点以上各科目4点以上

この表は2026年度の確定基準です。2027年度にも同じ補正があるとは限りません。過去問の合否は受験年度の公式基準で判断し、次年度の勉強では雇用保険法を2点でよいと考えないようにします。

採点時に分ける3つ
  • 本試験の過去問 その年度の公式正答・合格基準と照合する
  • 学校の模試 その模試の採点基準を使う。本試験の年度別補正を勝手に移さない
  • 復習用の印 根拠の曖昧さを記録する独自の学習メモ。公式の得点や合格判定を変えない

得点例A 合計28点でも労一2点なら科目別基準に届かない

以下の得点表・復習記録・時間配分は、2026年度の基準に当てはめるために作った一連の架空例です。表の「説明できた正解」は、正解した問題のうち理由も説明できた数です。

選択式の科目得点と説明できた正解2026年度基準との照合
労働基準法・労働安全衛生法得点 4/5点
うち根拠を説明できた正解 4問
3点以上
労働者災害補償保険法得点 4/5点
うち根拠を説明できた正解 3問
3点以上
雇用保険法得点 3/5点
うち根拠を説明できた正解 2問
2点以上
労務管理その他の労働に関する一般常識(労一)得点 2/5点
うち根拠を説明できた正解 1問
3点に1点不足
社会保険に関する一般常識(社一)得点 3/5点
うち根拠を説明できた正解 1問
3点以上だが根拠が曖昧な正解が2つ
健康保険法得点 4/5点
うち根拠を説明できた正解 4問
3点以上
厚生年金保険法得点 4/5点
うち根拠を説明できた正解 3問
3点以上
国民年金法得点 4/5点
うち根拠を説明できた正解 4問
3点以上
合計得点 28/40点
うち根拠を説明できた正解 22問
総得点は25点以上。科目別条件は未達

28点という合計だけなら基準以上ですが、労一が2点なので2026年度の選択式の条件を満たしません。一方、復習の対象を労一だけに限定すると、社一で根拠を説明できないまま正解した2つが残ります。

採点上の得点は28点のままです。そのうち理由まで説明できたのが22問なので、正解した残り6問にも復習の余地があります。得点は合格基準との比較に使い、理由の説明は復習する箇所を選ぶために使います。

正解した3問でも、根拠が曖昧なら復習の対象になる

選択式の正解を根拠あり・未確認に分け、誤答とともに復習対象を決められる。

自信があって正解しただけでは「説明できた」とは数えません。選んだ答えが正しい理由と、紛らわしい候補が違う理由の両方を説明します。その説明が教材や公式資料と合っている空欄を記録します。

正解は根拠ありと根拠未確認に分けます。対象・条件・例外や資料の年を説明できたかが基準です。不正解は知識不足や対象の取り違えなど、原因に沿って学び直せます。数値や年の誤りと文脈の読み違いも分けて考えます。

架空例Aの社一には、正解3問と不正解2問があります。次はそれぞれの空欄で何を復習するかを分けた例です。

この例の社一ではAが正解で、制度の条件も説明できています。Bも正解ですが公表年と対象年を説明できません。Cは正解でもほかの候補を外した理由が曖昧です。不正解のDは分母を、Eは制度の対象者を取り違えています。

この社一の例で復習するのは、正解B・Cと誤答D・Eです。Bは公表年と対象年、Cは他の選択肢を外した理由へ戻ります。Dは分母、Eは制度の対象者を読み直します。

認知率60%と利用率20%は、同じ調査でも別の数字

次は社一の記録B・Dの直し方を試すための、完全に架空の調査資料です。団体・公表日・人数・割合は実在の統計でも本試験の出題でもありません。

自作資料Aの全文
  • 公表は2026年9月。調査の対象期間は2025年4〜6月
  • 架空団体が相談窓口についてアンケートを実施。回答者は200人
  • 相談窓口を知っていた人は120人。利用した人は40人で、利用者は知っていた人の内数
  • ここで求めるのは、回答者全体に占める「窓口を知っていた人」の割合

誤メモを「2026年に調べた窓口の利用率は60%」とします。120÷200の計算は合っています。しかし2026年を調査対象年とし、「知っていた」を「利用した」へ入れ替えているため正しい説明にはなっていません。

直す欄資料Aの完成した記録
公表年/対象年2026年公表/調査対象は2025年4〜6月
求める割合の分子/分母知っていた120人/回答者全体200人
計算と説明120÷200×100=60%。2025年のこの調査の回答者200人に占める認知者の割合
混同しない数値利用者割合を回答者全体で求めるなら40÷200×100=20%。60%を利用率とは呼ばない
外へ広げない範囲調査の回答者の値であり、地域住民全員や全国の値とは言えない
自作資料Bの全文
  • 公表は2026年3月。調査の対象期間は2024年10〜12月
  • 別の架空団体の調査で回答者は150人。相談窓口を利用した人は30人
  • 窓口を知っていた人数は公表されていない
  • 回答者全体に占める認知者の割合と、利用者の割合を区別して答える

資料Bでは窓口を知っていた人数が書かれていないため、認知者の割合を計算できません。利用者割合なら30÷150×100=20%で、対象年は2024年です。資料Aの60%を使い回したり、利用者30人を認知者全員と置いたりしないでください。

公表した年と調べた年を分け、割合に使う分子と分母も説明します。すると資料のどこを読み直すかが分かります。人数が書かれていなければ、その割合は計算できないと判断することも大切です。

3点取れても根拠を説明できたのが1問なら、残る4問を復習する

まだ解いたことのない類題で3問正解し、根拠を説明できたのが1問なら、残りの正解2問と誤答2問が復習対象です。3問とも説明できれば正解の曖昧さは解消していますが、誤答2問は残ります。2問正解して両方を説明できても、間違えた3問の練習は必要です。

復習時間は、基準点に届かない科目と正解の理由が曖昧な空欄へ優先して使います。理解できた内容は別問題で解き直します。予定時間をこなしたかではなく、理由を説明して解けるようになったかで次の復習を決めます。

例Aから雇用を3点→2点、労一を2点→3点へ変え、ほかの点数は同じとします。合計は28点で、雇用2点を含め2026年度の選択式の基準を満たします。ただし択一式などの点数は調べていないため、試験全体に合格したとは言えません。

次年度に向けては、雇用保険法で解けなかった3問も復習の対象です。労一や社一と同じように、制度の対象・数値・例外のどこで迷ったかに合わせて学び直します。

過去の合否を正しく読むことと、次の問題へ備えることは別です。次年度の練習量は前年の補正ではなく、答案に残った分からない箇所から決めます。前年に2点で基準を満たしても、次年度の目標を2点にする理由にはなりません。

2026年度の公式選択式問題の表紙は、適用する法令等を2026年4月10日に施行されているものとしています。過去問を現在の制度だけで答え直すと正誤の理由が変わる場合があるため、原問の基準日と、次年度向けに更新する内容を分けて記録します。

制度の違いや法改正で迷う箇所には、質問・更新教材を使う

手元の解説で根拠を確かめられるなら、別問題でその根拠を使えるか試せます。制度間の違いを自力で整理できない場合は、その違いを質問できる講座が役立ちます。法改正の更新箇所を追えない場合は、改正を反映した教材が選択肢になります。

制度の違いを質問したい場合や法改正の教材が必要な場合は、社労士通信講座の比較が参考になります。対象年度と改正教材の提供時期、質問方法を比べられます。選択式の点数が低いという理由だけで、教材一式を買い直す必要はありません。

確認日は2026年10月1日です。2027年度以降へ使うときは、その年度の公式案内と教材の対応範囲を確認してください。

2026年度の一般常識の正答訂正は択一式問9のD・E両方を正答とする内容で、選択式の科目別基準とは別です。候補を絞れたことも得点の保証にはならず、選んだ根拠が正しいかを確かめる学習が中心になります。

書いて整理したい方には、解き直し記録シート(PDF)と模試の失点・選択式の根拠と配分(PDF)も使えます。

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